半兵衛の計画

Posted in 未分類 on 1月 2nd, 2012 by admin — Be the first to comment!

戦国の世の美濃に竹中半兵衛重治という物静かな男がいた。
戦国の武将は強剛、激烈、勇猛などが求められるが、竹中半兵衛は対照的にひ弱な印象を周囲にあたえた。
武よりも文を好むといった感じだ。
大名や武将というより文化人といった方がいいかもしれない。
しかしこの竹中半兵衛は、美濃の稲葉山城を本拠とする斎藤氏の被官として菩提山城の城主である。このとき二十一歳であった。
当主の斎藤竜興は、美濃を平定し、蝮と称された斎藤道三の孫にあたる。
竜興は半兵衛のことを軽く見ていた。ばかにしていたといってもいい。
それが近習たちにも伝わるのか、近習たちも露骨に半兵衛をばかにする。
そのとき半兵衛はべつに怒るでもなく見過ごしている。
しかし心の中では、
(このままでは斎藤家は滅びるであろう)
半兵衛の心にはある野心がある。それと同時に、それを冷ややかな眼で見るもうひとりの自分がいることも事実である。
(自分の知恵を試してみたい)
半兵衛は難攻不落といわれている稲葉山城を見つめた。
半兵衛は妻の父である安藤守就のもとを訪ねた。安藤は西美濃三人衆といわれる斎藤家に属している大名のひとりである。
「婿殿それは正気か」
安藤は半兵衛のはなしに反対はしたものの、うまくいけば面白いと思った。
半兵衛は話は稲葉山城を奪取するという計画だった。いってみれば反逆である。
安藤も斎藤家の側近である人物たちに嫌気がさしていた。といっても斎藤家を乗っ取るとかいうことではなく、自分たちを侮っている側近を除いて斎藤家の実権を握ろうと思っていただけである。
それが半兵衛の計画を聞きおもしろいと思ったのである。
「これは私の責任でおこないます。舅殿は合図がありましたら行動願います」
ここから竹中半兵衛という男が軍師として名を馳せることになるのである。



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